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  • 2026-8-27
  • CATEGORY矯正歯科・小児矯正

お子さまの「お口ポカン」は放置しないで|口呼吸が歯並びに与える影響とMFTのすすめ

お子さまの「お口ポカン」は放置しないで|口呼吸が歯並びに与える影響とMFTのすすめ

📋 この記事の目次

「お口がいつもポカンと開いている」「いびきや口の乾燥が気になる」――そんなお子さまの様子に気づいて、不安を感じている親御さんは少なくありません。

実は、子どもの口呼吸は歯並びや顎の発育に深く関わっており、矯正装置だけを入れても改善しにくいケースが多いとされています。歯列を整えるとともに、口まわりの筋肉の使い方そのものを改善するMFT(口腔筋機能療法)を組み合わせることが、長期的に安定した歯並びを保つうえで重要です。

この記事では、口呼吸が起こるしくみと歯列・顎発育への影響、MFTと小児矯正を連携させた治療の流れについて、古河市の長浜歯科医院がわかりやすくご説明します。

「お口ポカン」が続いていませんか?口呼吸が気になるサイン

親御さんが気づきやすい日常のサイン

子どもの口呼吸は、本人が自覚しにくいため、日頃そばにいる親御さんが気づいてあげることが大切です。次のような様子が日常的に見られる場合、口呼吸が習慣化している可能性があります。

テレビを見ているとき・食事中以外のリラックスした場面でも口が開いていることが代表的なサインです。また、起床時に口が乾いている、いびきをかく、唇がいつもカサカサしているといった症状も見逃せません。

食べ物をくちゃくちゃと音を立てて食べる、食べるのが遅い、姿勢が悪くなってきたという変化も、口呼吸や口まわりの筋機能の低下と関連していることがあります。

口呼吸と鼻呼吸、何が違うのか

人間の呼吸は本来、鼻を通じて行われるように設計されています。鼻腔は空気を適切な温度・湿度に整え、細菌やウイルスをフィルタリングする機能を持っています。

口呼吸ではこのフィルター機能を使えないため、のどや気道が乾燥しやすく、免疫機能に影響が出やすいとされています。歯科的な観点だけでなく、全身の健康にも関わる問題として、早めに気づいて対処することが望ましいといえます。

何歳ごろから気をつけるべきか

乳幼児期は比較的口が開きやすい時期ですが、小学校入学前後(5〜7歳ごろ)を目安に、口呼吸の習慣が定着していないかを確認することが推奨されています。この時期は顎の骨や永久歯が発育する大切な時期であり、口呼吸が続くと後述するような歯列への影響が出やすくなります。

「まだ様子を見ていい」「大きくなれば自然に治る」と思われがちですが、習慣化した口呼吸は自然に消えることは少なく、早めの相談が選択肢を広げることにつながります。

口呼吸が歯並び・顎の発育に与える影響とは

舌の位置と歯列のバランス

歯並びは、外側(唇・頬)からの圧力と内側(舌)からの圧力のバランスによって保たれています。鼻呼吸のとき、舌は上あごの天井部分(口蓋)に軽く接した「スポット」と呼ばれる正しい位置に収まっています。

口呼吸をしている子どもは、舌が下がり前方に落ちた姿勢になりやすく、この内側からのバランスが崩れてしまいます。舌が上あごを押し広げる力が働かないため、上顎の歯列が狭くなり、出っ歯(上顎前突)や歯並びのガタつき(叢生)が生じやすくなるとされています。

Point 01 舌の位置と顎の幅

上顎は舌の圧力で形が決まる

上顎の骨は、子どもの発育期には左右に広がる余地があります。舌が正しい位置にあることで内側から適切な圧がかかり、顎の幅が適正に育ちます。口呼吸で舌が下がると、この刺激が失われ、上顎が狭くなることがあります(個人差があります)。

Point 02 姿勢と顎の関係

口呼吸は頭と首の姿勢にも影響する

口で呼吸するとき、気道を確保するために頭が前に出る姿勢になりやすくなります。この姿勢の変化は、下顎の位置や顎関節にも影響を与え、噛み合わせの問題につながることがあると考えられています。姿勢が悪くなったと感じる場合、口呼吸との関連を疑ってみることも一つのきっかけになります。

Point 03 顔貌の変化

口呼吸が続くと顔つきにも影響が出ることがある

口呼吸を長期間続けることで、上唇の筋力が低下し、口元が閉じにくくなる場合があります。また、顎が細長く発育したり、歯茎が見えやすい口元になることがあるとされています。これらは「アデノイド顔貌」と呼ばれることもありますが、成長期に適切な対処をすることで、発育の方向性に働きかけることが期待できます(個人差があります)。

永久歯の生え方への影響

乳歯から永久歯への交換期(6〜12歳ごろ)は、顎の発育と歯の生え方が大きく変化する重要な時期です。この時期に口呼吸の習慣が定着していると、歯が生えるためのスペースが不足し、歯並びがガタついたり、永久歯の萌出方向に影響が出たりすることがあるとされています。

歯並びだけを見て「矯正が必要かどうか」を判断するだけでなく、なぜその歯並びになっているかの根本的な原因を診断することが、長期的な治療効果を左右します。

MFT(口腔筋機能療法)とはどんな治療か

MFTの目的と具体的な内容

MFT(Oral Myofunctional Therapy:口腔筋機能療法)は、口まわりや舌、頬、唇などの筋肉の使い方を正しく整えるためのトレーニングです。歯列矯正のような装置を使う治療とは異なり、筋肉の「動き方のクセ」そのものを修正することが目的です。

具体的には、舌を正しい位置(スポット)に置く練習、舌の正しい動かし方(嚥下・発音)のトレーニング、鼻呼吸へ移行するための口輪筋(口のまわりの筋肉)の強化など、段階的なエクササイズを行います。

トレーニングの内容はお子さまの年齢や状態によって異なりますが、通院時に歯科衛生士などのスタッフが指導を行い、ご自宅で練習を続ける形が一般的です。

MFTはどのくらいの期間続けるのか

MFTは一度行えば終わりではなく、継続的なトレーニングが必要です。期間の目安は個人差がありますが、一般的に数か月から1〜2年程度かけて、正しい筋肉の使い方を定着させていくことが多いとされています。

子どもの成長に合わせて段階的に進めていく必要があるため、定期的な通院と、ご家庭での継続的な取り組みがとても大切です。ご家族の協力がMFTの成果を左右する大きな要素のひとつです。

MFTで期待できる変化

正しい舌の位置・口まわりの筋肉バランスが整うことで、鼻呼吸がしやすくなること、食べるときの飲み込み方が改善されること、発音が明確になることなどが期待できます(個人差があります)。

また、矯正治療と並行して行うことで、治療後の歯並びが後戻りしにくくなる効果が期待されることも、MFTが注目される理由のひとつです。

当院のお子さまの治療について

お子さまの成長段階に合わせた予防・矯正のご提案を行っています。床矯正や筋機能矯正装置など、成長を活かした治療の考え方は診療案内ページでご紹介しています。

▶ お子様の治療の詳細を見る

矯正装置だけでは改善しにくい理由と、MFT連携の大切さ

矯正治療の「後戻り」が起きやすいわけ

小児矯正を行って歯並びがきれいに整っても、数年後に歯並びが元の状態に戻ってしまう「後戻り」が起きることがあります。その背景にある大きな原因のひとつが、口まわりの筋肉のバランスが改善されていないことです。

矯正装置は歯を動かすための力を加えるツールですが、装置を外した後、舌の位置が悪いまま・口呼吸のままでは、筋肉が歯列に対して不適切な圧力をかけ続けます。その結果、せっかく整えた歯並びが少しずつ崩れていくことがあります。

MFT+矯正を組み合わせるメリット

  • 筋肉のバランスを根本から整えられる
  • 治療後の後戻りリスクを軽減できる
  • 口呼吸から鼻呼吸への移行を促せる
  • 発育期の顎の成長方向に働きかけられる
  • 飲み込み・発音など機能面の改善が期待できる

矯正装置のみの場合に生じやすい課題

  • 筋肉のクセが残ったままになりやすい
  • 後戻りが起きやすいケースがある
  • 口呼吸の習慣が残ると再発リスクが続く
  • 根本的な原因に対処できていない場合がある

正しい診断がすべての出発点

「どの矯正装置を使うか」を決める前に、なぜ歯並びが乱れているのか、どの筋肉にどんな問題があるのかを正確に診断することが、治療の方向性を決める最初のステップです。

歯列の状態だけを見て治療計画を立てるのではなく、口まわりの筋機能・呼吸のしかた・顎の発育状況・全体的なお口の環境を踏まえて診断することが、小児矯正の質を左右します。

いつから相談すればよいのか

MFTを含む小児矯正の開始時期は、お子さまの状態によって大きく異なります。一般的に、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期(6〜12歳ごろ)は、顎の発育に働きかけやすい時期とされています。

「まだ乳歯があるから」「永久歯が生えそろってから」と様子を見ているうちに、適切な対処ができる時期を逃してしまうケースもあります。口呼吸の習慣やお口のポカン開きが気になった段階で、一度専門家に相談されることをおすすめします。

口呼吸の原因が鼻炎・アデノイド肥大などの耳鼻科的な疾患による場合は、耳鼻咽喉科での診療が先に必要なこともあります。歯科での相談時に、全身的な背景も含めてお伝えいただくとよいでしょう。

長浜歯科医院でのMFT・小児矯正の取り組み

診断を最初の柱に置いた治療方針

長浜歯科医院では、「正しく診断すること」を治療の起点に置いています。歯並びだけでなく、お口全体の状態・筋肉の機能・呼吸のしかたを踏まえたうえで、お子さまお一人おひとりに合った治療方針をご提案しています。

  • 歯科用CT・マイクロスコープを活用し、顎骨や歯列の状態を精密に評価します
  • 小児矯正とMFTを連携させ、筋機能の根本的な改善を目指す治療を行っています
  • 個室カウンセリングスペースで、お子さまと親御さんが落ち着いてご相談いただける環境を整えています
  • 1階診療室のためベビーカーや車いすでもご来院いただきやすい構造です
  • 駐車場10台完備で、お子さまとご一緒でも安心してご来院いただけます

歯周病やインプラント治療において重要なのは「どの治療を行うか」よりも「正しく診断すること」だと常々感じています。小児矯正も同様で、歯並びの見た目だけを治すのではなく、なぜその歯並びになったのか、お口全体の環境・筋肉の使い方・呼吸のしかたをきちんと把握したうえで治療方針を組み立てることが大切です。MFTは地道なトレーニングが続きますが、筋肉の使い方を変えることが長期的な歯並びの安定につながります。「矯正した方がいいのか」とお悩みであれば、まずはお気軽にご相談ください。

よくあるご質問

子どもが口呼吸かどうか、自分で確認できますか?

お子さまがリラックスしているとき(テレビを見ているときや睡眠中)に口が開いているかどうかを観察するのが一番のチェック方法です。起床時に口や唇が乾燥している、いびきをかく、唇をよく噛む、前歯が乾いてみえるといったサインも参考になります。ただし、確実な判断は歯科や耳鼻科での診察が必要です。気になる場合はお気軽にご相談ください。

MFTは何歳から始められますか?

MFTはトレーニングの内容を理解して取り組めることが必要なため、一般的に5〜6歳ごろ以降が目安とされています。ただし、お子さまの理解力や状態によって個人差があります。年齢よりもお子さまの状況に合わせて判断しますので、「うちの子はどうだろう?」とお感じでしたら、まずは診察でお気軽にご相談ください。

矯正とMFTは同時に行うのですか?それとも順番がありますか?

お子さまの状態によって異なります。MFTを先行して筋肉の機能を整えてから矯正装置を使うケース、矯正と並行してMFTを進めるケース、矯正後の後戻り防止としてMFTを継続するケースなど、さまざまなパターンがあります。どのような順序・組み合わせが適切かは、診察のうえで個別にご説明いたします。

この記事のまとめ

  • 子どもの口呼吸は、舌の位置の乱れや筋肉のアンバランスを通じて歯並びや顎の発育に影響する
  • 矯正装置だけでは口まわりの筋肉のクセは改善されず、後戻りのリスクが残ることがある
  • MFT(口腔筋機能療法)と小児矯正を組み合わせることで、根本的な改善が期待できる
  • 小児矯正の治療効果は「正しい診断」から始まる。見た目だけでなくお口全体の状態を把握することが重要
  • 「口がポカンと開いている」「口呼吸が気になる」と感じたら、早めに歯科へ相談することをおすすめします

お子さまの口腔習癖のご相談は長浜歯科医院へ

お口ポカン・口呼吸・指しゃぶり・舌の位置など、成長期のうちに気になる習癖は、早めのアプローチで改善が期待できる場合があります。保護者の方だけでのご相談も承ります。

診療時間 8:30-11:30 / 13:00-16:30 | 休診日:木・日・祝

監修

長浜歯科医院 院長 長浜光徳

経歴

  • 日本歯科大学生命歯学部 卒業
  • 日本歯科大学附属病院 臨床研修医 修了
  • 長浜歯科医院 院長継承

所属・資格

  • 日本歯周病学会所属/日本歯周病学会認定医
  • 日本口腔インプラント学会所属
  • 日本顕微鏡歯科学会所属