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- 2026-5-13
- CATEGORY歯周病
歯周病に気づきにくい理由とは?痛みが出る前に確認したい口腔内の変化

「歯ぐきが少し赤い気がするけど、疲れているだけかな」
そう思って放置していたら、気づいた時には歯を支える骨が溶けていた…。これは決して他人事ではありません。
歯周病は「沈黙の病気」とも呼ばれています。痛みがほとんどないまま静かに進行し、自覚症状が出た頃にはすでに重症化しているケースが非常に多い病気です。
長浜歯科医院の院長として、日々多くの患者さんのお口を拝見していると、「もう少し早く来てくれていれば…」と感じる場面が少なくありません。歯周病学会認定医の立場から、早期発見のためのセルフチェック方法と、定期検診の重要性について詳しくお伝えします。

歯周病とは何か〜「沈黙の病気」の正体
歯周病は、歯と歯ぐきの境目に溜まった細菌(歯周病菌)が原因で起こる炎症性疾患です。
最初は歯ぐきだけに炎症が起きる「歯肉炎」という段階から始まります。この段階では痛みがほぼなく、見た目の変化も乏しいため、ほとんどの方が気づきません。放置すると炎症が歯を支える骨(歯槽骨)にまで広がり、最終的には歯がグラグラと動き出し、抜け落ちてしまいます。
虫歯は「痛い」というサインで気づけます。しかし歯周病は違います。
激しい痛みが少ないまま進行するため、重症化するまで放置してしまうケースが後を絶ちません。だからこそ、セルフチェックと定期検診が命綱になるのです。
歯周病は、歯科の2大疾患のひとつとして知られています。虫歯と並んで歯を失う主な原因であり、日本人の多くが罹患していると考えられています。
さらに近年では、歯周病が全身の健康にも影響を及ぼすことが明らかになっています。糖尿病や心臓疾患、早産・低体重児出産などとの関連性が指摘されており、お口の健康は全身の健康に直結する問題です。

10のセルフチェックポイント〜今すぐ確認してください
鏡の前に立ち、以下の10項目を確認してみてください。
1つでも当てはまれば、歯周病の可能性があります。
チェック1〜歯磨き時に出血する
歯ブラシやデンタルフロスを使ったとき、血がにじむことはありませんか?
健康な歯ぐきは、正しいブラッシングでは出血しません。出血は歯ぐきに炎症が起きているサインです。「力を入れすぎたから」と片づけず、要注意のサインとして受け止めてください。
チェック2〜朝起きたとき口の中がネバつく
起床時に口の中がネバネバして気持ち悪いと感じることはありますか?
睡眠中は唾液の分泌が減るため、細菌が繁殖しやすくなります。歯周病菌が増殖している場合、このネバつきが強くなる傾向があります。
チェック3〜口臭が気になる、または指摘されたことがある
歯周病菌が産生するガスは、強い口臭の原因になります。自分では気づきにくいのが厄介なところです。家族や周囲の方から指摘されたことがある場合は、早めに受診をお勧めします。
チェック4〜歯ぐきが赤く腫れている
健康な歯ぐきは薄いピンク色で、引き締まっています。赤みが強かったり、腫れぼったく感じたりする場合は炎症のサインです。特に歯と歯の間の歯ぐきの色に注目してください。
チェック5〜歯ぐきが下がって歯が長く見える
以前より歯が長くなった気がする…。これは歯ぐきが退縮(下がる)しているサインです。歯と歯の間に隙間が広がり、食べ物が詰まりやすくなることもあります。

チェック6〜硬いものが噛みにくい
左右どちらかで硬いものを噛むと違和感がある場合、歯を支える組織が弱まっている可能性があります。噛む力が偏ることでさらに歯周病が悪化する悪循環にもつながります。
チェック7〜歯が浮いた感じやむず痒い感じがある
「歯が浮く」「歯ぐきがむず痒い」という感覚は、歯周組織に炎症が起きているサインのひとつです。疲れやストレスがたまったときに症状が強くなることもあります。
チェック8〜歯がグラグラ動く感じがする
歯を指で押すとグラグラする感覚がある場合、歯を支える骨がかなり溶けている可能性があります。この段階まで進行すると、治療が難しくなるケースも増えます。早急な受診が必要です。
チェック9〜歯ぐきを押すと血や膿が出る
歯ぐきを指で押したとき、血や膿(うみ)がにじみ出ることはありますか?
これは歯周病がかなり進行しているサインです。痛みが少ないからといって放置は禁物です。
チェック10〜デンタルフロスに嫌なにおいがつく
デンタルフロスを使った後、フロスに嫌なにおいがついていることはありますか?
歯周ポケット内に溜まった細菌や汚れが原因で、独特の臭いが生じます。フロスのにおいを確認する習慣をつけることも、早期発見につながります。
セルフチェックの限界〜なぜ定期検診が必要なのか
セルフチェックは大切な第一歩です。しかし、限界があります。
歯周病の進行度を正確に把握するには、「歯周ポケット」の深さを専用の器具で測定する必要があります。歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの境目にある溝のことです。健康な状態では1〜2mm程度ですが、歯周病が進行すると4mm以上、重症では6mm以上になることもあります。
この測定は、歯科医院でしかできません。
また、歯石は歯ブラシでは絶対に除去できません。歯石は歯周病菌の温床になるため、専用の器具(スケーラー)で除去する必要があります。
歯周病は自覚症状が出にくい疾患です。
気になる変化がある場合は、早めのご相談をお勧めします。

当院の歯科衛生士が担う4つの使命
長浜歯科医院では、歯科衛生士を「予防の専門家」として位置づけています。
- 発症させない知識を持つ…虫歯や歯周炎の原因と発症リスクを患者さんに納得していただける最新の知識を常にアップデートしています。
- 初期の変化を見逃さない…メンテナンス中に初期の歯周炎の再発を素早く見つけ出すため、注意深く観察します。必要に応じて唾液検査も実施します。
- 進行させないメンテナンス…歯周検査で歯肉からの出血など病態の活動性に応じて、適切なセルフケアとプロフェッショナルケアで病態を進行させない取り組みを行います。
- 生涯メンテナンスを行う…人生のさまざまな局面で生活習慣の乱れなどによって高まるリスクをコントロールし、患者さんの生涯にわたるお口の健康を守ります。
定期検診では、歯石除去・歯のクリーニング・歯磨き指導を組み合わせて実施します。セルフケアだけでは届かない部分まで、専門家がしっかりとケアします。
歯周病を悪化させる生活習慣〜見直すべきポイント
歯周病は細菌が原因ですが、生活習慣が進行速度に大きく影響します。
喫煙は歯周病の最大のリスク因子
喫煙は歯周病を悪化させる最大のリスク因子のひとつです。
タバコに含まれる有害物質は歯ぐきの血流を悪化させ、免疫機能を低下させます。その結果、歯周病菌に対する抵抗力が落ち、病状が急速に進行しやすくなります。さらに喫煙者は出血しにくい傾向があるため、歯周病のサインに気づきにくいという問題もあります。
糖尿病との深い関係
糖尿病と歯周病は、互いに悪化させ合う「双方向の関係」があります。
血糖コントロールが不良だと歯周病が悪化しやすく、逆に歯周病が重症化すると血糖コントロールが難しくなることが知られています。糖尿病をお持ちの方は、特に歯周病管理に注意が必要です。
ストレスと免疫力の低下
「疲れがたまると歯ぐきが腫れる」という経験はありませんか?
ストレスや疲労は免疫力を低下させ、歯周病菌への抵抗力を弱めます。仕事が忙しい時期や体調不良のときに症状が悪化するのは、このためです。生活習慣の乱れが口腔内のリスクを高めることを、ぜひ意識してください。

正しいセルフケアで歯周病を防ぐ〜毎日の習慣が大切
歯周病の予防は、毎日のセルフケアから始まります。
歯ブラシの使い方を見直す
歯ブラシは歯と歯ぐきの境目に45度の角度で当て、小刻みに動かすのが基本です。力を入れすぎると歯ぐきを傷つけるため、軽い力で丁寧に磨くことを心がけてください。
1本の歯を磨くのに最低でも数秒かけ、全体で2〜3分は磨くようにしましょう。
デンタルフロスと歯間ブラシを活用する
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れは60〜70%しか除去できないとされています。
デンタルフロスや歯間ブラシを使うことで、歯ブラシが届かない部分の汚れをしっかり除去できます。フロスや歯間ブラシを使っていない方は、ぜひ今日から始めてみてください。
歯磨き粉の選び方
フッ素配合の歯磨き粉は、歯の再石灰化を促し、虫歯予防に効果的です。歯周病が気になる方には、歯周病予防成分(塩化セチルピリジニウムや塩酸クロルヘキシジンなど)を含む製品も選択肢のひとつです。ただし、どの製品が自分に合っているかは、歯科医院でご相談いただくことをお勧めします。
長浜歯科医院での歯周病治療と予防〜古河市で安心のケアを
「歯周病かもしれない」と感じたら、一人で抱え込まないでください。
長浜歯科医院は、茨城県古河市上辺見に位置する歯科医院です。古河駅から車で9分、土曜日も16時半まで診療しています(木曜・日曜・祝日は休診)。
院長の長浜光徳は日本歯周病学会認定医として、歯周病の専門的な知識と技術を持っています。開業以来「4つのこだわり」を念頭に診療を行っており、確かな技術・誠実な提案・予防歯科・ほっとするスタッフ対応を大切にしています。
当院の歯周病治療の流れ
- 初診・検査…歯周ポケットの深さ、歯ぐきからの出血、歯の動揺度などを詳しく検査します。必要に応じて歯科用CTやマイクロスコープも活用します。
- 歯石除去・スケーリング…歯と歯ぐきの境目に溜まった歯石を専用器具で除去します。
- セルフケア指導…患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせた歯磨き指導を行います。
- 定期メンテナンス…治療終了後も定期的なクリーニングと検査で、再発を防ぎます。
治療内容や予後については、患者さんのお時間を無駄にせず、診療時間内で過不足なくお伝えします。ストレートにお伝えすることを方針としているため、少々率直に感じるかもしれませんが、それが患者さんへの誠実な対応だと考えています。

「歯周病は早期発見・早期対応が、歯を守る最大の武器です。」
気になるサインが1つでもあれば、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ〜歯周病は「気づく力」が歯を守る
歯周病は自覚症状が出にくいまま進行します。だからこそ、日常的なセルフチェックと定期検診が欠かせません。
今回ご紹介した10のチェックポイントを、ぜひ毎日の習慣に取り入れてみてください。
- 歯磨き時の出血
- 朝のネバつき
- 口臭
- 歯ぐきの赤みや腫れ
- 歯ぐきの退縮
- 硬いものが噛みにくい
- 歯が浮く・むず痒い感じ
- 歯のグラつき
- 歯ぐきから血や膿が出る
- フロスの嫌なにおい
1つでも当てはまったら、早めに歯科医院を受診してください。
セルフケアと専門家によるプロフェッショナルケアを組み合わせることで、歯周病の進行を防ぎ、大切な歯を長く守ることができます。
長浜歯科医院では、歯周病の専門的な検査・治療・予防メンテナンスに対応しています。古河市・茨城県南部エリアにお住まいの方は、ぜひ一度ご相談ください。
ご予約はお電話(0280-31-3570)またはWEB予約にて承っております。初診の方はご予約時間の20分前にお越しください。
著者情報
院長
長浜 光徳 ながはまみつのり

経歴
- 日本歯科大学生命歯学部 卒業
- 日本歯科大学付属病院
臨床研修医 修了 - 長浜歯科医院 院長継承
所属・資格
- 日本歯周病学会所属
日本歯周病学会認定医 - 日本口腔インプラント学会所属
- 日本顕微鏡歯科学会所属