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  • 2024-7-27
  • CATEGORYむし歯予防

食後30分してからのブラッシングは意味がない!?

酸性度の(ph)の影響はどれほどあるか

酸産生菌が歯面に付着したプラーク中で増殖すると発酵性糖質を代謝して酸を産生します。この酸の作用によって歯質のリン酸カルシウムからカルシウムイオン、リン酸イオンが溶出し、唾液中に放出されるようになります。一方、唾液中にカルシウムイオン、リン酸イオンは歯質に取り込まれてハイドロキシアパタイト結晶を修復します。う蝕はこの2つのパターンの反応のバランスが崩れ、脱灰反応が再石灰化反応を上回った時に発生します。
 飲食物に含まれている酸や胃酸など、口腔内細菌が産生した酸とは異なる由来の酸が歯質を脱灰する現象は「酸蝕症」と定義されます。 一時、WEB上では「食事のあとの歯磨きは30分待ってからすべきだ」という情報が流れ、口腔衛生指導の現場が混乱したことがありました。酸性の炭酸飲料に象牙質のディスクを浸漬して軟化させた後、ディスクを取り出して口腔内に装着し、ブラッシングを実施すると象牙質が摩耗したという「酸蝕症とブラッシングによる摩耗」に関連する実験を根拠にしたものです。普段の食事のあとにブラッシングする場合とは異なる前提に実験であることにご注意ください。

この情報以降、酸性飲料水摂取後、どれくらいの時間を置いてからブラッシングすると歯質の摩耗が防げるのかについて、抜去歯を用いた実験レベルの研究がいくつか報告されました。それらの結果を取りまとめた最新の論文では「酸性飲料水摂取後に歯を磨いた場合」と「10分~240分の間隔をあけて歯を磨いた場合は」の間に摩耗の程度の有意な差はみられなかった。とけ結論づけています。

つまり、酸性飲料水を飲んだ後であっても、ブラッシングを待つことによる歯質摩耗(すり減り予防のメリットはないのです。

また唾液には酸を中和する働きがあり、レモンの輪切りを歯に長時間密着させる、お酢を頻繁に摂取するなど、酸性飲食物の頻繁な摂取がないかぎり すぐには歯が溶けないように防御機能が働いているいます。
 食後30分間ブラッシングを控える事でのメリットはありません。むしろ、デメリットとして食事由来の発酵性糖質を利用してプラーク中の細菌が酸を酸性することで、歯に密着しているプラークのphがエナメル質の臨界ph5.5、象牙質の臨界ph6.0~6.5を下回ると酸性に傾いてしまいます。食事によって口腔内で一時的に増えた発酵性糖質は食事すぐの歯磨きで速やかに減らすことで除去できますが、歯磨きせずに発酵性糖質を長時間放置するとプラークが付着している部位ではエナメル質 象牙質ともに脱灰が進んでしまします。

結論として 普段の食事をしたら従来通り、食後数分以内の歯磨きをすることが適切です。また歯磨きの際にはフッ素入りの歯磨き粉の使用もお忘れないように!

Brushing abrasion of softened and remineralised dentin: an in situ study – PubMed (nih.gov)引用
日本保存歯科学会「食後30分間は歯みがきを避けこと」についての見解(opinion_20131211.pdf (hozon.or.jp)
日本小児歯科学会 学会からの提言 食後の歯みがきについて(日本小児歯科学会 | 食後の歯みがきについて (jspd.or.jp)

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