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  • 2025-5-26
  • CATEGORYインプラント

インプラントの基礎知識

インプラントとは何でしょうか?

インプラントとは、体内に埋め込む医療機器や材料の総称です。心臓のペースメーカー、人工関節、美容成形の目的で体内に埋め込むシリコン材料等は、いずれもインプラントです。歯が無くなった場合に、顎骨に埋め込む人工歯根もインプラントの一つであり、正確には歯科インプラント(デンタルインプラント)と呼称されます。しかし一般的には、歯科インプラントの意味で「インプラント」という言葉が用いられることが多いので、以下インプラントという言葉を使用します。

インプラント治療の歴史について

ヨーロッパでは上顎に鉄製のインプラントが埋まっている紀元3世紀頃のローマ時代の人骨が発見されています。また、中南米では下顎に貝で作られたインプラントが埋まっている紀元7世紀頃の人骨が発見されています。このように、インプラントの歴史はとても古いのですが、確実な治療法になったのは比較的最近です。1952年に金属のチタンを骨の中に埋めると骨と結合する現象が発見され、1965年にスクリュー形状(ネジのような形状)のチタン製のインプラントの臨床応用が開始されました。骨と結合するインプラントの登場によって、インプラントの臨床成績は著しく向上しました。このように骨と結合するインプラントの臨床結果が優れていることが世界的に知られるようになったのは、1980年代になってからです。その後、インプラントには様々な改良が加えられ、臨床成績がさらに向上しています。

インプラント治療とはどのような治療でしょうか?

齲蝕(虫歯)や歯周病(歯槽膿漏)によって、また外傷によって歯を失うことがあります。またヒトによっては先天的に歯が無い場合があります。そのような歯が無い部位の顎の骨にインプラントを埋め、そのインプラントに義歯を付ける治療方法がインプラント治療です。インプラント治療は1本の歯がなくなった場合から全部の歯がなくなった場合まで、適用できる治療方法です。

図の説明
図1A 一本歯が無い場合のインプラント治療
図1B 上の顎に全く歯が無い場合のインプラント治療

インプラント以外の治療法について

歯が無くなった場合、歯を無くした部位にもよりますが、咬めない、喋りにくい、みっともないといった不具合が起きます。その不具合の解決方法として、 取り外し可能な義歯による治療(図5)、ブリッジによる治療(図6、インプラント治療(図7)が考えられます。

その他には、歯が無い部位に口の中の他の歯を移植する歯の移植による治療も考えられます。それぞれの治療法には利点と欠点があります。どの治療方法を選択するかは、慎重に決める必要があります。歯科医師の説明を良く聞いて、不明な点については遠慮されずに質問されることをお勧めします。

図の説明
図5 取り外し可能な義歯による治療
図6 ブリッジによる治療
図7 インプラント治療

インプラント治療の利点について

インプラント治療の利点は、義歯をしっかりと固定できることです。インプラント治療においては、残っている歯を削ったり、残っている歯に義歯を安定させるための装置を付けたりすることはしません。残っている歯に負担をかけずに治療をおこなうことができることも、インプラント治療の利点です。

インプラント治療の欠点について

インプラント治療の欠点として、インプラントを埋入するための手術を受ける必要があるため、全身状態が良くない場合には適用が難しいこと、治療期間が長いこと、治療費が高額であることが挙げられます。現在のインプラントは骨に結合するのですが、粘膜との結合が強くないため、天然の歯に比較すると感染に弱いことも欠点です。さらに、インプラント埋入予定部位に骨が十分に存在しない場合、治療が困難であることも欠点です。またインプラント治療において問題が起きた場合には、その問題の解決が難しいことも欠点です。

インプラントの材料は何でしょうか?

咬合力に耐えられる強度があり、生体親和性が高く、骨との結合することから、現在インプラント材料としては、主にチタンあるいはチタン合金が使用されています。インプラントと骨との結合を促進する目的で、インプラント表面を様々に改変したインプラントが多く用いられています。

インプラントの構造を教えてください。

骨の中に埋める部分をインプラント体、インプラント体と義歯の間の部品をアバットメントと呼びます。一般的にアバットメントはスクリューでインプラント体に固定されています。

アバットメントの上に義歯が付きますが、義歯がインプラント体に直接付く場合もあります。義歯が外れないように、セメントを用いて義歯を付ける場合と、スクリューで義歯をアバットメントあるいは義歯をインプラント体に付ける場合があります。
このように、セメントあるいはスクリューで義歯を付けた場合、患者さん自身で義歯を外すことは不可能です。一方、インプラント体の上に特殊な装置(アタッチメント)を付けて、義歯の内面にもそれと接続可能な装置を付けることで義歯(入れ歯)を安定させると同時に、 患者さん自身が義歯を取り外すことが可能な治療法があります。このようなインプラントを用いて取り外し可能な義歯を安定させる治療法を、インプラントオーバーデンチャー(implant-supported overdenture)による治療法と呼びます。

インプラント体にアバットメントを接続するインプラントはツーピースインプラント(two-piece implant)、インプラント体とアバットメント部分が一体となっているインプラントはワンピースインプラント(one-piece implant)と呼ばれます。

図の説明
図2 インプラントとその上に付ける義歯の構造 骨の中に埋める部分をインプラント(a)、インプラントと義歯の間の部品をアバットメント(b)と呼びます。一般的にアバットメントはスクリュー(c)でインプラント体に固定されています。この図のように、アバットメントの上にセメントを用いて義歯(この図の場合は冠、d)を付ける場合と、スクリューで義歯をアバットメントに、あるいはスクリューで義歯をインプラント体に付ける場合があります。
図3 インプラントを用いて、取り外し可能な義歯を安定させる治療。このような治療をインプラントオーバーデンチャーによる治療という。インプラントを用いて義歯を安定させる仕組み(A)と治療例(B)。
図4 インプラント体にアバットメントを接続するインプラントはツーピースインプラント(two-piece implant) (A)、インプラント体とアバットメント部分が一体となっているインプラントはワンピースインプラント(one-piece implant) (B)と呼びます。

日本口腔インプラント学会引用https://www.shika-implant.org/min-implant/faq/

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