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- 2026-2-10
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被せ物(クラウン)が外れた!「自分で接着剤」が絶対NGな5つの理由
被せ物(クラウン)脱離
朝食を食べている時や、ふとした瞬間に「ポロッ」と外れてしまった歯の被せ物やクラウン。鏡を見て焦り、「とりあえずアロンアルファでつければいいや」とか「市販の入れ歯安定剤で固定しよう」と考えたことはありませんか?
その気持ち、痛いほどよくわかります。見た目も気になるし、何より食事がしにくいですよね。しかし、歯科医師の立場から断言させてください。外れた被せ物を自分で接着するのは、歯の寿命を縮める「最もやってはいけない行為」の一つです。
なぜ自分でつけてはいけないのか、もしやってしまったらどうなるのか。2026年現在の最新歯科知見に基づき、そのリスクと正しい対処法を詳しく解説します。
1. なぜ「市販の接着剤」ではダメなのか?
まず大前提として、歯科医院で使用する「歯科用セメント」と、市販の「瞬間接着剤」は全くの別物です。
- 生体親和性の欠如: 市販の接着剤は、口の中という「常に湿っていて、温度変化が激しい過酷な環境」で使用することを想定していません。化学物質が歯髄(神経)を刺激し、激痛を引き起こしたり、神経を死滅させたりする恐れがあります。
- 厚みの問題: 歯科用セメントは、ミクロン単位の非常に薄い膜で密着するように設計されています。市販の接着剤は膜が厚くなりやすく、わずかコンマ数ミリ浮くだけで「噛み合わせ」が完全に狂います。
- 接着力の質: 「強力ならいい」わけではありません。歯科用セメントは、将来的な再治療を見越して「適切な力で剥離できる」よう調整されています。ガチガチに固まってしまうと、除去する際に自分の歯を大きく削り取る必要が出てきます。
2. 自分でつけることで発生する「3つの致命的リスク」
① 二次カリエス(むし歯)の爆発的進行
これが最も恐ろしいリスクです。自分でつけると、被せ物と歯の間に必ず「わずかな隙間」が生じます。そこには細菌(ミュータンス菌など)が入り込みますが、歯ブラシは届きません。 密閉された空間で細菌が繁殖し、気づいたときには被せ物の中で歯がドロドロに溶けていた……というケースは枚挙に暇がありません。
② 噛み合わせの崩壊と歯根破折
0.1mmでも浮いた状態で接着してしまうと、その歯だけに強い力が加わります。
- 歯根破折: 強い衝撃により、歯の根っこが真っ二つに割れることがあります。根が割れると、現代の歯科医療でも**「抜歯」**以外の選択肢がほぼなくなります。
- 顎関節症: 噛み合わせのズレは、顎の痛みや肩こり、頭痛の原因にもなります。
③ 被せ物が再利用できなくなる
歯科医院へ持っていけば、そのまま専用セメントで付け直せるケースが多々あります。しかし、自分で接着剤をつけてしまうと、残った接着剤を削り取る際に被せ物の適合が壊れ、作り直しを余儀なくされます。