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先日、妊娠がわかりました。実家に報告したところ、祖母に「おめでとう！でも”一子を得れば一歯を失う”っていうし、歯には気を付けてね」と言われました。

妊娠すること自体が歯をもろくすることはありません

昔は,妊娠・出産を繰り返すうちに歯の健康を損なってしまう方が多かったため「一子を得れば一歯を失う」＝「赤ちゃんにカルシウムを取られて歯がもろくなる」とも言われていたようですが、この説に根拠がなく、妊娠すること自体が歯がもろくなることはありません。

赤ちゃんの発育には多くの栄養素が必要とされ、これらの栄養素は母体から供給されます。通常は妊婦が食事により摂取した栄養素が血液中に吸収され、それが子宮まで運搬されて、胎児の発育のために使われますが、つわりによる食欲不振や食生活の乱れにより血液中に栄養素が不足すると母体に蓄えられた栄養素が補足的に使われます。そのため血液中のカルシウムが不足した場合は、それを補うために母体の骨からカルシウムが提供され、一時的に骨量の減少が見られます。　しかし、胎児の発育のために、母体の歯がからカルシウムが溶出して使われることはありません。骨は一時的に減少しても細胞の働きによってふたたび新生されますが、歯にはこのような代謝機能が備わっていないからです。

母体の歯のカルシウムが直接的に胎児に提供されることはありませんが、妊娠期は歯が溶けやすくなるというのは事実です。これは主に・・
①つわりによる嘔吐や胃酸の逆流とそれに伴う口腔内の酸化
②食事回数の増加による食べかすの増加
③つわりによる歯磨き困難
などが原因で口腔環境が不良になるためです。

食生活に気を付けて必要な栄養素をバランスよく摂取することや、歯磨きをしっかりして口腔内を清潔に保つことに気を付けていれば歯を失うような結果をまねくことにはならないでしょう。

プレママと赤ちゃんの歯と口の健康Q＆A Ｐ6～7　医学情報社　引用参照

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